31話 2019ねんのねこ

 

しめくくるのです2019

 

f:id:mukaineko:20191230005649j:image

 

どうしても今年のうちに書いておきたい重たい話題があるので書きます...

 

 

1月は

おじいちゃんがしんでしまった 夜中母が部屋にやってきて涙を流しながら言った 

わたしのおじいちゃんは私が小さい頃から病気だった 本当にバブちゃんだったときはおじいちゃんも歩いていたし、抱っこもしてもらったけれど、脳の病気になった

おじいちゃんは緑の車に乗っていたメロンパンナと同じ色だから私は緑が大好きで、おじいちゃんの車も大好きだった そのときのおじいちゃんはもう左手が動かなかったから、ハンドルに取っ手をつけて右手だけで運転していた グラウンドへ行っておじいちゃんの足のリハビリのために散歩したり、帰ってきたら炒め物を作って食べさせてくれた これは私が富山に住んでいた本当に小さい時の話で苗字は中野だったし、お父さんの存在をしらなかったから父の日はおじいちゃんの似顔絵を保育所で描いてプレゼントしたりしていた

静岡で父と母と3人暮らしをするとき、私は祖父母と離れた沢山泣いたけど、夏と冬は長期休みを丸々つかって帰省した 12歳の頃まで

富山へ行くたびに、なにかを持つことができなくなったり、なにかを思い出すことが難しくなったり、なにかを話すことが難しくなったり、歩くことができなくなって、そのうちコーヒーすら飲めなくなっていったおじいちゃんをずっと私は毎年決まった時期に帰ってはただ見つめることしか出来なかった

そのうちおじいちゃんはケアハウスや病院の行き来をするようになった 緑の車はもう乗ることは叶わないからといって家からなくなった おじいちゃんはまた乗るためにリハビリをしていた だけどみんながそれを普通のこととして受け入れるしかない みたいな空気があって、私もなるべくなるべく明るく振る舞った おじいちゃんが私を認識できなくなったのは割と最近のことで、なんで忘れちゃったの!ともだよ!っていっても何も言わずにただ見つめてくるおじいちゃんをみて心が折れちゃいそうだったけど親もおばあちゃんもいたから私は痩せて可愛くなったから認識されないかな?って言った おじいちゃんとおばあちゃんは私が小さいとき、私をたからものだよって言った それが忘れられなくてすごくすごく寂しくなってしまった エンタの神さまをみて笑ってるところとか、火サスの犯人に向かって死ぬ前にネタバラシするなよと言うとか、朝はコーヒーと新聞で私がトーストを食べるのをずっとニコニコみてたりとか、そういうのを忘れてたのに思い出して寂しかった  おじいちゃんは昔わたしに死んだらピンクの花と一緒に海に流してほしいって言った わたしはおじいちゃんがしんだとき、それを親やおばあちゃんに伝えたらみんなそんなキザなことじいちゃんがいうわけないよって笑ってた でもいってたよ わたしの前ではいつもかっこつけてたから おじいちゃんの骨をひろった 車の中でいとこみんな 声を出さずにずっと泣いてた いつか絶対にくるこの日をみんなしってたのに 無理だと心のどこかで感じていたけれど私が大人になった姿をみせてあげたかったな